クズレタ果実【完】

涙を拭き、私は冴嶌家を出た。

出掛けたと思ってた桃哉さんが居たけど、何も言わず、頭を下げてバス停の方向に歩みを進める。



「――苺華ッ!!」



でも、桃真が私を呼ぶ声に、足が止まった。

…私の名前を、呼んでる。



「苺華っ!」



「…桃真…」



振り返った時には、桃真の腕の中に包まれて居た。

懐かしい薫りが、鼻を掠める。

大好きな、場所。