クズレタ果実【完】

声も出せない。

緊張と戸惑いを胸に、連れて行かれたのは、懐かしい桃真の部屋だった。



「何でお前があそこに居た」



「……」



「答えろ、北川」



答えられずに居る私に、桃真は背を向け、名前すら呼んでくれない。

終わってたんだね。

期待してたなんて、恥知らずも良いとこ。



「…さっき、聞いた。あの日の男が赤松なんて、普通わからないよね。連絡をしなかったのは、桃真を試してたなんて最低でしょ?わかってる」



怖い位、口が止まらない。