クズレタ果実【完】

“どうして”の一言に、唇を噛み締めた。



「ベット柵は君が下げたの?」



「いえ。私が気付いた時には下がってて」



「この患者さん、片麻痺だろ」



「マツナガ先生?」



「長沼君、借りはこれでチャラだな」



シーンとする場。

先輩看護師の視線が、私に向けられた。

ベット柵を上げ忘れた自覚のあった私、自分のミスを認めるように、頷いた。