クズレタ果実【完】

私たちに気付いた優君に、私と冴嶌は軽く頭を下げた。

梨華に紹介され、近付いて来た優君の腕の中には、スヤスヤと眠る雪ちゃん。



「可愛いな」



「はい。でも…来月には別々なんですよ」



「施設を出るのか?」



「雪の里親になりないと云う人が居て、申請を出したみたいです」



妹と離されてしまう気持ちは、わかるような気がする。

寂しさが見栄かくれする優君の肩に、冴嶌は手を乗せた。