クズレタ果実【完】

何も始まってなんか居なかったんだ。

質屋行きのプレゼントを纏めて、携帯の電源をオフ。

連絡を取らず、ギリギリで別れ話をメールして、携帯は買い換え。

それがいつもの手段。

頭を使うのは嫌い。

この方法が、私にはピッタリ。



「ふぅ……」



明日から、高校2年。

進路に対しても、担任が煩くなりそう。

私は男を騙して、お金を貰って生きるしかない。

何も変わらない。

この頃の私は、そう思って居た。