見上げた空、願いを込めて




「あ、恭夜」


裕斗が俺に声をかけたと同時に、ホームルームを始めるチャイムが響く



早く要件を、と裕斗を見れば、彼は少し何かに躊躇しているようだ


視線をキョロキョロとさ迷わせ、俺とは目が合わない



「…ゆう、と?」



いつもの彼らしからぬ行動に首を傾げると、やっと裕斗は口を開いた