「じゃあね、実音♪」





雪菜が教室を出て行く。





「ちょ…っ、雪菜!!」





私の声も届かないまま、結局雪菜は帰ってしまった。





「一緒に帰ろ!!」





笑顔で言う杉崎君。
この天使のような笑顔は、本当の笑顔なのか??





「……帰るなら早く帰るわよ。」





私は鞄を持ち、教室を出た。
……杉崎君に逆らうと怖いしね。
大人しくしておこう。





「実音ちゃん待ってよー!!」





杉崎君は、何の為に私に付きまとっているのだろうか。
こんな地味な私と一緒にいたって、他の女子に引かれるだけなのに。