「それより、プライベートのときは、『社長』はやめないか?」
社長は、不満げ。
「今って・・本当に出張じゃなくてハネムーンなんですか?」
しっかり、今日も秘書スーツで荷物も全部スーツだし・・・
「そうだ、社員寮のやつらを納得させるには、完全に出張っぽくしないとダメだろ?」
「出張っぽくって・・・
完全に出張の準備しかしてませんけど」
ハネムーンならそれなりの準備も・・・でしょ?
ヒラヒラ~フリフリ~のとか・・・ねえ。
「必要ないだろ?
どーせ殆ど着やしない。」
えっ・・・
「よくそう言うこと平気で・・・」
思わず赤くなる私をよそに
「当たり前だろ?
なんと言ってもこれは、ハネムーンなんだからな。
することは決まってるさ。」
信じられない
普通に普通の顔してサラリと言う社長。
「社長・・・」
社長は、普通に言うけど
そんな風に言われた私は
ドキドキしちゃうじゃない?
「社長じゃないだろ?」
何よ、そんな顔・・そんな顔して見ないでよ!
「言ってごらん?
『想、愛してる』って」
い・・言えません!

