「僕は、そこまでケチじゃないぞ。」
えっ!?
「どうして、私の考えてることが分かるんですか?」
つい聞くと
「まったく・・・」
呆れ顔で
「久利生さん・・じゃなかった、和。
君の考えてることと、社員寮のやつらの考えてることなんて僕にはお見通しだよ。」
と社長が言って
「これは、やつらを出し抜くためさ。
まっ、もう社員寮のやつらもいないから言うけど」
出し抜く?
「やつらにハネムーンなんて言おうものなら、『ちゃんとお祝いできなかったから海外で式をやり直しましょう』とか言い出して、
『有休ならいっぱい有りますから』とか・・・絶対にあのお祭り集団は、着いて来るに決まってるんだ。」
まあ・・確かに。
「能成くんとか・・・」
「壁下さんもだ。」
うん・・『ハワイの海で泳ぎたい』とか・・・海パン持って着いて来る・・・
「「ありそう!プッ!」」
私と社長、同じこと考えて二人して噴出した。

