社長!好きです!


「さ、和も着替えて。」


訳も分からぬまま

大きな箱を腕に押し付けられ

受け取ったけど


「なんですか?」

「見たら分かるわよ。」


加崎が何故かそう言って私にウインク?


「見たらって・・・」


加崎にウインクされたせいで箱を開けるのを躊躇ってると


「急に頼まれたから今朝一番でうちのホテルから持って来たんだから。」


言いながら加崎が私の手にした箱のフタを開けて見せた。


その

箱の中身――――


真っ白のフワフワ


これは・・・

どう見ても

「ウエディングドレス・・・だよね?」


「そうよ。うちのホテルは、貸衣装はやってないからこれは買い取りね。」


箱から出して

私の前にかざし


「うん、まあいいじゃない?

さあ、さっさと着替えなさいよ。

みんな待ってるんだから。

じゃ、私も行ってるからね。」


状況の把握も出来ぬまま


「ちょっ・・待って」


誰もいなくなった部屋で

「着替えろって・・・ウエディングドレス?」

ってことは・・・


「まさか、これから結婚式とか?」

言わないよね?