「おやおや、珍しいお客さんだね。」


タクシーからなんとか笑美花を下ろし

社員寮の玄関まで連れてくると


そこに並木さんがいて

「ヨイショっと!」


私が何を言うよりも早く


並木さん

笑美花をあっと言う間に肩に担ぎ上げ


「どこに運べばいい?久利生さんの部屋かい?」


そう言ってさっさと階段に向かって行ってしまった。



そして――――

階段を上る並木さんの後について私も階段を上りかけた




「あれ?笑美花?」

とか言って


由が階段を下りて来て


並木さんの肩のとこから出てる笑美花の顔を覗き込み



「どうした?珍しいな笑美花が泥酔。」


面白がって


いつもと反対に由が笑美花のおでこをちょっと


ちょっとだけ突付いた




「ぶっ殺す!」


い?・・・えっ!


一瞬そこにいたみんながピタッ!と動きを止めた。



由なんか指が宙で完全に固まっちゃってる。


「え・・笑美花?」


恐る恐る声をかけると


「う~ん・・ムニャムニャ」




どう見ても意識があるとは思えない。


さっきのは寝言?