もしも自分が

とかって


あったかどうかも分からない可能性


でも

加崎は

ずっと

「彼女が、私と結婚してたら

子供を産んで死んだりなんかさせなかった。」


そんな風に思ってきたの?


でも

それじゃあ、今、留理はいないんだよ?



現実は残酷ーーーー


自分の命と引き換えに留理を産んで彼女は亡くなった。



でも・・・今、加崎にとって留理は彼女の忘れ形見で・・・


「もしもは無いって・・とっくに現実見てるわよ。

だから今、留理が一番大切なの。

だから・・・」



加崎は、一瞬言うのを躊躇して


「だから?」



私もグイッとグラスを空けて

何だか分かってる気がするけど

思い切って聞くことにした。



「留理の望むことはなんでもしてあげたいの。

叶えてあげたいの。」



「だから?」



「だから・・・和と結婚する。」




やっぱり・・・ね


裏があると・・・思った。