「べ、別になにも・・・。」
喜びの舞を踊ってました―――
とは
言えません・・・
「それか・・・。」
社長がケーキの箱に視線を止め
私の浮かれ具合の理由を悟ったらしく
「一人占めするんじゃないぞ。」
と言った。
「まるで私が一人占めしようとしてるみたいな言い方なさるんですね。
しませんよ。
ちゃんと鮎原さんと二人で・・・」
「そんなにあるのに二人で食べるのか?」
いや・・・
そりゃあ二人分にしちゃ多いけど・・・
全フロアーの女性分があるって訳でもないし・・・
「秘書室に誰かいたら・・・
あっ!
社長もここのケーキお好きなんですよね?」
ああ・・それで・・・
「好き?ケーキが?」
「そうです。
すみません、気がつかなくって。
ちゃんと残しておきますね。」
ついでに仁佐さんの分も残しておいてあげよう
とか
思いながら
「どれがいいですか?
早い者勝ちですよ。」
ケーキの箱を開けて
社長の目の前
差し出すと・・・

