「久利生さん、丁度よかった。」
社長室の隣の秘書控室から
仁佐さんが手に白い箱を持って
出てきた。
「なにか?」
「仕事じゃないよ。
はいこれ、お客さまのお土産。」
渡された白い箱
見るからに
中身はケーキ
「これあそこのですよね。」
お店の名前が出てこない・・・
「ああ、それは・・・」
仁佐さんがすぐにお店の名前を言ったので
「さすがですね。」
社長の第一秘書ともなれば
なんでも知っててあたりまえ?
「全員の分はないから
秘書室で鮎原さんと食べていいよ。」
「え~、いいんですかぁ?
ここのってすごい人気らしいですよね。
私も一回だけ食べたことあるんですけど
すごく美味しいし。」
喜びつつ
箱を開けてちょっと覗いてみた。
「すご~い!」
色とりどりのケーキたち
見ていて
そう
前にさなえにもらって食べたっけ・・・
と
思い出した。
『彼がここのケーキ好きなんだ。』
とか
そうだ・・・
そんなこと言ってたっけ・・・
社長はここのケーキが好き
ちょっと意外だけど・・・

