「久利生さ~ん。」
廊下の向こうから能成くんが走って来た。
なんだろう?
「おはよう。」
「おはようございます!」
若いからか
なんなのか
朝から元気・・・ね
と
私よりかなり大きな能成くんを見上げ
「今日、副社長は休みとか?」
「え?どうしてですか?」
能成くんは副社長の由の秘書になってからずっと
年下の由に振り回されている。
由のいない日(別の会社に行ってる日)は
なんだかノビノビしてて元気がいい
と
最近分かってきて
能成くんを見て
今日は由はいるな
とか
判断してる。
朝から能成くんがこんなに元気っぽいのは
由がいない証拠・・―――
のはずだった
けど・・・
「副社長ならもう出社されてますよ。」
え?
そうなの?
ならなんで
能成くんってば
そんなにニコニコしてるの?
思わずジイ~っと能成くんを見つめ
「なにか・・・俺の顔に付いてますか?」
「うんん・・・違うんだけど・・・」

