「オノレは、私にケンカ売ってるのか?」

「まさか、見たまま、事実を言ったまでよ。」

「なっ・・・」


この男、いや・・女?


絶対に生かしちゃおかない!




持っていた箸が

加崎の卵焼きに


ブスッ!




突き刺さる。




「和、自分の食べなさいよね。」


私の口に運ばれる卵焼きを目で追いかけ

人の憤慨も気にせず加崎が続けた。


「まあ、外見ぐらい
それらしくしなさいって。」


外見ぐらいね。

確かに加崎の外見は、よくできてる。


仕立てのいい一見して高級ブランドものと
分かるスーツに

趣味のいいこれも多分どこぞのブランドの
ネクタイ。



「別に成りたくて秘書になった訳じゃないし・・・。」


そう言いながら、加崎の腕時計を見て、

質に入れたらいくらするんだろうとか・・・


すごいえげつないこと考え・・・

自分で自分に呆れる。