先輩に別れを告げて、教室に戻った私の手を千尋がいきなり引っ張った。


「ちょっと紗奈!どういうことか説明してよ!なんで先輩と知り合いなの!?」


あまりの剣幕に驚いて、きょとんとしてしまう。


「千尋、伊集院先輩知ってるの?」


千尋がため息をついたところでチャイムが鳴った。


日本史の話なんて、右の耳から左の耳へ通り抜けてしまって何も残らない。

なんで千尋が伊集院先輩知ってるんだろ?


考えていると紙切れが飛んできて、私の机の上に落ちた。

それは千尋が投げた手紙だった。