指輪に触れながら先生は苦笑いを浮かべる。


「で、どうやら、色々探してたところを生徒に目撃されてたらしい」


あ、なるほど。それがウワサの正体だったんだ。


「もちろん、渡す相手がお前だなんて言ってないんだけど、それ見られたらすぐバレるだろ」


だからな、と言いながら先生は私の頭をぐしゃぐしゃと荒っぽくなでた。

私、犬じゃないんですけど。




先生はあくびをしながら私から離れてソファに寝転ぶ。


「ちょっと寝る」


ほらもう、勝手なんだから……。