「倉地さん急になんなんですかっ?……って、紗奈?」 「樹、紗奈ちゃん送ってって。遅くなったし」 固まる先生と私。 笑顔だけど、有無を言わせないマスターの表情。 「あーわかりました。ほら、紗奈行くぞ」 「え?!あ、はい」 「じゃあね、紗奈ちゃん」 「ありがとうございました!」 カウンター越しに手を振るマスターに私は頭を下げた。