「もしかして、待っててくれたの?」 この言葉に対して何の返答もない。 目をそらして、自分の靴箱に向かう。 「いいのかよ?あれで」 やっぱ聞いてたんだ。 恥ずかし……。 でも、私が決めたことだから後悔は何もない。 「いいの。ありがとう、心配してくれて」 この言葉に対しても何の返答もなかった。 ただ、校舎の出口で待ってくれている彼の不器用な後姿に、少し笑みがこぼれた。