“笑顔に当たる拳はない”って、誰が決め付けたの? たった今、その言葉が頭の中から抹消されたね! 「んじゃ、七時にいつものところで待ち合わせな?」 『はい、はい。分かってるから』 あたしは淡白に答える。 『(……七時、か)』 身も心も軽くしてから、洸太に会いに行こう。 この蟠(わだかま)りを拭い去って、すっきりした気持ちでクリスマスを楽しみたいから……。 あたしは、この気持ちから逃げない。 もう、逃げたくない。