けど、本音を言えば、ほぼ毎日一緒にいたんだから、一度で伝わってほしかった。 だから、わざとさっきと違う言葉を口パクで伝える。 ――“好き”。 この言葉と共に、明朗快活な笑顔を蒼空に向けたのが最後だったと思う。 その後、終業式まで蒼空に会うことはなかった。