その日は11月の下旬で、特別寒かったのを今でも覚えてる

しっかりと着込み、学校へ行き、いつものように家に帰った。

─ガチャ

「ただいまー…!」

葵(アオイ)兄と太陽(タイヨウ)兄の友達たちの靴がたくさんあった

確か、4,5人くらいだったと思う。

葵兄と太陽兄は双子で高1。
2人とも同じとこに受験して、見事合格。

顔も格好良くて、女の子の影が絶えたことはまず無かった。


「あ、おかえり」
「ただいまー葵兄」

リビングから制服姿で出てきた葵兄、その後ろに太陽兄もいた

「あ、慈雨。
 あとで俺らの部屋に、ジュース持ってきてくれる?」
「あーい、了解」
「んじゃ、よろしく」

私はよくこうやって、ジュースを運ぶのを頼まれる

イヤとは思わない。

だって、運んだら、葵兄や太陽兄と遊べるもん!



─私はいつも後悔する。
 “何故いつも通り運んでしまったの?何故もっと考えなかった?”
 何故なぜナゼ???─