「唯くん!見てみてー!」

「でかっ!俺も作るー!」



午後の公園、
僕もきいもシャボン玉をしていた。


「ねぇねぇ、唯くん!
シャボン玉、きれー!」

「見てろ!きい!」







―――高校2年生*夏休み





「嬉々ー?!
今日もどこか行くの?」

「今日は千里と図書館!」



いつもと変わらない朝、
私はお洒落をして出かけた。



本当は、千里と図書館じゃない。
ひとつ年上の一月先輩と、デートだ。



やばっ…遅刻しちゃう…!
急いで駅に向かっていると、
黄色の原チャリが私を追い越して止まった。


「おい!」

「なに。唯?」

「おう。どこいくんだよ。乗る?」



「駅!一月先輩とデート!」

「は?一月先輩?」

「うん!遅刻しちゃいそうだったのちょうど良いー♪」




唯の後ろに跨ぐと、
バイクは駅の逆へ走った。



「え?!なに?!」