しばらくして。


「翼鬼~!!」


天鬼君が走ってやってきた。


「翼鬼、熱!?」


「そうなんですよ!翼鬼が熱なんですよ!」


「二人ともうるさいわ。翼鬼ちゃんが寝とれんやろ!」


山崎さんの正論で、うっと黙った。


「…ああ、けっこう高いな」


「山崎さん、翼鬼大丈夫!?」


「ただの熱やったらええけど…流行病やったらなぁ…」


山崎さんが厳しい顔をする。


「流行病!?僕たち、そんなものかかんないよ?」


「「「………は?」」」


見事に三人の声が重なった。


かからないって…どういうこと?


「だって、翼の力で怪我も病もすぐ治るもん。………」


そこまで言って、天鬼君ははっとした表情になった。


「分かったぁ!!」


「だからうるさいて!」


「翼鬼の熱、代償だよ!!」


「「「………………代償?」」」


天鬼君は納得したように、そーかそーかとしきりに頷いている。


いやいや、一人で納得されても。