我ながら、敵がいるのにくだらん会話だと思う。


そんな俺たちに呆れてか…。


「…こんなやつ、俺たちが知ってる土方歳三じゃねぇ。人違いだったようだ。悪かったな」


と言って去っていってしまった。


…これでよかったのか、そうでないのか。


いやよかったんだろう。


「よかったねぇ、土方さん」


「…助かった。ありがとな」


だからってお前が無茶したことには変わりねぇんだけど。


まあ、それも大目に見てやるか。


「じゃ、帰ろうよ。お父さんっ♪」


「…お前なぁ…」


怒ろうとして、やめた。


お前なら、別にいいか。


そう、思って。


…俺らしくもねぇがな…。


ったく、ほんと…以前の俺を知ってるやつがいたら、どんな反応をするか…。


考えて笑えてきた。


「土方さん、知ってる?思い出し笑いする人は変態なんだって」


「思い出し笑いじゃねぇよ!!そして、そんなもん皆するだろ!あと俺は変態じゃねぇぇぇっ!!!!」


俺の声が、夕暮れ時の京の都に響き渡った…。