天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

これからどうしようかと、思案しながら歩いていると。


「お姉さん、綺麗ですね~」


「よかったら、俺たちと甘味処でも行きません?」


数人の男に囲まれた。


…これはいわゆる。


ナンパというやつなのかしら!?


初ナンパが…幕末…。


我ながら笑ってしまう。


「遠慮しておきます」


やんわりと、断ったつもりだった。


なのに。


「いいじゃないですか」


「ほらほら、こっち」


腕を掴まれて、無理やり連れて行かれそうになる。


「…離してっ」


「痛い目、遭いたくねえだろ?大人しく来いよ」


「っ…」


助けて…お願い。


ワガママなのは、あたしのほう。


あたしが、どうしてもあの子たちを思い出してしまうから。


それをあたしはあなたにぶつけた。


もう逢えない、その苦しみを。


あなたにぶつけた。


…ごめんなさい、意地なんて張るんじゃなかった。


ごめんなさい、ごめんなさい…。


そのとき。


「…何してんの」