天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

「人違いでは、ありませんか?」


あたしは内心すごく焦りながら、そう答えた。


平常心を保っていると見せかけたまま。


「…そうですか。連れが反応したものですから。…失礼しました」


沖田さんはにこっと笑って、翼鬼の待っているほうへと向かって行った。


ほっ…よかった。


あたしは胸をなでおろした。


…沖田さんは気づいてたんだ。


翼鬼が、なにか反応したことに。


「さすが、侮れないわね」


そう呟きながら、今度こそお勘定をしてお店を後にした。