天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

そんなことはないと、信じたい。


バレたら…自分を制御できる自信がない。


あたしは早くお団子を食べて、お店から出ようと思った。


食べていると、チラチラ気になる視線。


それはもちろん翼鬼のもので。


「翼鬼、食べないんですか?」


「いや、食べてるから。総司が食べ過ぎなだけだよ」


…正論。


もう沖田さんが頼んだお団子はほとんどない。


「よくそんなにも食べれるよね…。ほんとにびっくりだわ」


「食べれますよぉ」


「…我ながら、なんでこの人を…」


「え?なんですって、翼鬼?」


「っ、なんでもない!」


沖田さんの黒い笑み…。


さすがの翼鬼も適わないわよね。


「…お仕置きが必要だね?」


「…すみませーん、お勘定お願いしまーす!」


翼鬼はそう言い残して、ダッシュでお店から出て行った。


あたしもお金を払って、お店を出ようとした。


…なのに。


沖田さんとすれ違ったとき。


「……どこかで、お会いしませんでした?」


そう、声をかけられた…。