「!?なにするのよっ」


「何って…キス?」


そんなことは分かるわよ!


「なんでいきなりするの!?意味分からない!」


「…優、なんでそんなに怒ってる」


「怒ってなんかいないわ!」


「怒ってるだろ。何が不満?」


…不満?


何も不満なんてない。


「……お前、こっちに帰ってきてから、ずっとそうだぞ」


ドキッとした。


一番、触れられたくなかったところをつかれた。


…不満はない。


だけど、不安はある。


これで、よかったのかって。


「優、お前…誰かに惚れたのか?」


朔が、咎めるような目つきであたしを見る。


なによ…朔って、結局そっちに持っていくのね。


ちょっとは分かってよ、あたしの気持ち。


もう会えないのよ?


ずっと一緒にいた、あの子たちに。


会えるのは、ずっとずっと未来(サキ)なのよ?