天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

♪天鬼♪

…なんで、お千代ちゃんが屯所にいるの?


それも、僕を避けるようにして。


答えは、夕食の後にすぐ分かった。


見ちゃってたんだ…あのとこ。


けど、誤解なんてすぐに解ける。


…翼鬼が、女の格好してくれれば、ね。


「ほい、終わったで」


あ、やっと終わったか。


「なんなんだよ、天鬼…」


嫌そうな顔をしながら立っている、翼鬼。


「翼鬼、任務中の顔、して?」


「はぁ?なんでだよ」


「いいから。演技、演技」


翼鬼の今回の任務中の顔。


それは…大人しい女の子。


ふんわりした雰囲気で、病弱な。


弱くて…男なら誰でも守ってあげたくなるような。


翼鬼はしぶしぶその顔をやってくれた。


それを見て、僕はお千代ちゃんを振り返る。


すると、予想通り…目を丸くしている。


「この人、でしょ?僕が一緒にいた人って」


お千代ちゃんはこくこく、頷く。