天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

団子屋から帰る途中。


「土方歳三だな!?」


なぜか浪士に絡まれた。


いや、なぜか、じゃねぇな。


俺は新撰組副長。


絡まれるのも普通か。


ただ、久しぶりだっただけで。


「そうだ。なんの用だ」


「貴様を殺す!!」


ああ、そうですか…なんて言うわけねぇだろうが。


「…もうそういうのはやめにしたんだ」


「!?んだとっ…」


敵も、そしてなぜか天鬼も驚いた顔をしている。


お前らが言ったんだろうが…。


無駄に人を殺すなと。


それに、もう新撰組の在り方も変えた。


浪士を斬る必要なんてねぇ。


「俺たちは、もう京の人を守る為だけに動く。幕府のことは、知らねえよ」


「土方さん…」


「ふ、ふざけるな!貴様がどうでも、俺たちは貴様を殺す!!」


…どういっても、無理か…。


俺が剣を抜きかけた、その時。


「土方さん、そんな風に考えてくれたんだ。でも…土方さんを殺すっていうなら、僕だって容赦できないけど?」


…またも、黒天鬼が出た。