天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

すぅーっと襖が開いた。


「総司」


「夕食ですよ」


薄く微笑んで、総司が立っていた。


総司の瞳がお千代ちゃんの姿をとらえると…


「話は聞いています。今夜は二人でどうぞ」


と言って微笑んだ。


「総司はどこで寝るの?」


「さあ?でもなんとかなるから、安心して」


さあって…。


「風邪でもひいたら、どうするの!?」


「ひかないよ。そんなに柔じゃないから」


むぅ…そうやって笑うけど…。


ほんとに風邪ひいたらどうすんのさ!


危機感っていうか…総司って自分のこと大事にしないよなぁ。


「大丈夫ですって。それに、もし風邪ひいたら翼鬼が看病してくれるんでしょ?」


「……どうかな。お千代ちゃん、行こっ」


ちょっとイジワルしてみたくて、こう言った。


「わっ、翼鬼ちゃん!?」


お千代ちゃんの手をつかんで歩き出す。


すると後ろから総司の、


「素直じゃないなぁ」


とかなんとか言う声が聞こえたけど、無視。