天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

「とりあえず、落ち着きな?」


「ううっ…ぐす…」


泣くばかりで話せる状態じゃないお千代ちゃんを、あたしの部屋へ入れる。


「で、天鬼がどうしたって?」


「天鬼はん…甘味処で…女の人とっ…」


そこまで言って、お千代ちゃんはまた泣き出してしまった。


…天鬼が、甘味処で女と会ってた?


それを偶然見てしまったということか…。


「その女の人、綺麗でな。天鬼はんも…笑って…」


「よしよし、大丈夫だから」


女の子のお千代ちゃん。


…可愛いなぁ。


って、そうじゃなくて!


天鬼…女の人と一緒にいたって…誰?


お千代ちゃん以外に知り合いの女の子なんていないでしょ。


…これは本人に問いただすしかないな。


「今日は、ここに泊まってく?」


「もうそう言って出てきましたぁ」


行動はやっ!


最初からあたしと話し込むつもりだったのかな…。


「じゃあ、土方さんのことに許可もらいに行こ。…行ける?」


あたしが尋ねると、こくんと頷いた。