天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

「翼鬼、天鬼!」


ガラッと襖を開けて、中にいるであろう人を呼ぶ。


「あ、お父さん。どうしたの?」


案の定、不思議そうな顔をして俺を見てくる。


「どうしたの?じゃねぇよ!ったく…お前らは…」


「書類なら終わったよ~」


「ありがとな、今日1日」


「「へ?」」


何を言っているのか分からないといった表情。


鈍感なのか、バカなのか。


「だから、今日1日俺のためにありがとな」


「バレちゃったの!?」


「頑張ったのにぃ」


二人は同じようにふてくされる。


そんな光景を見て、思わず頬がゆるむ。


「でも、こんなことしなくていいぞ。俺の仕事なんだからな」


「だってさ…お父さん、大変そうだったんだもん」


「そうだよ。そりゃあお父さんならできるって分かってるけど…」


恩返しなんて…しなくてもいいのに。


「その気持ちだけで十分だ。手伝ってほしいときには、言うさ」


どうしても一人じゃムリなことは、ちゃんと頼る。


「…じゃあさ、何かしてほしいこと、ない?」


天鬼が少し考えて、聞いてきた。