天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

…昼飯が終わって、翼鬼が俺の部屋にいる。


理由は。


「お父さん、書類やってあげるから、出して」


俺は言われるままに、書類を出した。


…けっこうな高さになったぞ、おい。


これをお前一人でやるって?


無理に決まってんだろ。


それなのに、翼鬼は。


「うわぁ、たくさんあるね~。…片っ端から片付けてくか」


そう言ってせっせと書類にとりかかり始めた。


俺は何もすることがなかったから、翼鬼の横で間違ってないか見ていた。


……間違うかも、なんて心配は…無用だった。


「お前…算術できたのか」


「ああ、まぁ。ったく、この時代のっていちいち足さなきゃいけないからなぁ…。かければ楽なのに」


何やらブツブツ言っているが、俺にはなんのことだか。 


「あ~、計算終わりっと。…次は…」


あっという間に算術の書類が終わってしまった。


次のものに取りかかろうとしたとき…翼鬼が顔を歪めた。


「はぁ…そっか、この字か…」


「字がどうかしたのか?」


「えー、だってこの時代と平成って、字違うし」


そうなのか…。


それじゃあこれは難しいだろう。