天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

俺の聞き間違い…か?


「だからぁ、今日はゆっくりしてなって。僕らがやってあげるから」


…どうやら聞き間違いじゃなかったようだ。


「やってあげるよって…」


「いいから、お父さんは心配しないで。仕事とか全部やってあげるから」


「おと…」


反論しようとしたが、やめた。


もう父親でいいと思ってきた。


「仕事…お前、やれんのか?」


「書類は翼鬼だよ。僕は…掃除とか、稽古」


「いや、ここと未来とじゃいろいろ違うだろ?」


「知らないの?翼鬼は天才だよ」


…知らねえよ。


初耳だよ馬鹿やろう。


「とにかく。今日は何もしなくていいから」


「……おう」


とりあえず返事だけはしておいた。


どうせできないだろ、書類とか。


翼鬼が天才…とは知らなかったが。


書類は難しいぞ~?


…ちょっと待て。


俺は何してればいいんだ?


何もやらないっていうのも、なんだかなぁ。