♠翼鬼♠

「なぁ、翼鬼。今日の副長の稽古…荒れてたよな?」


一人の年の近そうな隊士が、聞いてくる。


「ん…まあ…荒れてたねぇ」


なぜか機嫌が悪そうで。


なぜかそれが稽古に現れてて。


全く…いい迷惑だよ。


副長ともあろう土方さんが。


「だよなぁ。鬼の副長が緩和した~って、みんな喜んでたのによ…」


「…元々、鬼じゃないけどね」


新撰組のために、鬼を演じてたんじゃない?


ほんとはすごく優しい人だし。


「原因、突き止める?」


「荒れた理由?あたしがやろうか」


からかいがいがありそうだし。


「翼鬼は副長と仲いいもんな!」


「…喜んでいいのか…?」


「いいって!それってけっこう、うらやましいことだし」


それだけ言って、用事があると去っていった。


…さて、どうしたもんか。


総司…巻き込もうか。


よし、そうしよう。


総司なら巻き込んでもいいよな←