「それでは、作戦開始!!」
僕の言葉と同時に、沖田さんは庭の木陰で水を持って待機、翼鬼は三人を呼び出しに、僕は屋根に登った。
あ、だいぶ見晴らしがいい。
いいとこ見つけた~、今度隠れるときはここにしよう。
屋根から逆さまに頭だけ出して、縁側を見る。
翼鬼が三人の部屋の襖を開けた。
「ねぇねぇ、ちょっと外来てくれない?」
さすがに三人の声は聞こえない。
…普通の人間なら。
「あいにく、僕は普通じゃないんでね」
翼を出し、遠くの音も聞こえるようにする。
「ええ、こんな暑いのにか?」
「暑いからこそだよ!」
「まあいいんじゃねぇ?どっちにしろやることないんだからよ」
「新八…めんどうなことになっても知らねえからな」
ギクッ。
さすがに原田さんは鋭いな。
それでも三人は部屋から出て、庭におりた。
「ナイス翼鬼!そして沖田さん、今だっ」
ピシャッと、水が舞った。
「うわっ!?」
「冷てぇ!」
「総司だろ!?」
「正解で~す♪」
沖田さんが木陰から出てきた。
その手には桶とひしゃく。
「ほらほら、かけますよ」
「やめろ!おまっ…着物が濡れる!」
平助くんが逃げようとするけど、僕がそれをとめる。
「あっれ~、平助くん逃げちゃうの?」
「天鬼!」
上を向いて驚いた顔をする平助くん。


