天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~ <番外編>

特に当てもなかったので、ぶらぶら歩いている。


今は昼だから、人の声でにぎわっている。


「どこ行こうねぇ?」


「お千代ちゃんのとこ、行きたい」


「千代は今日ダメだよ。大きな仕事はいったって」


「なーんだ、だからあたし誘ったのか」


「なっ…そういうわけじゃないよ!」


焦って言い訳しようとする天鬼がおもしろくて、ちょっとからかってやった。


「だってー、最近天鬼お千代ちゃんとばっかりいるしぃ?あたしなんてどうでもよくなったんじゃないの~?」


「そんなことないし!翼鬼のことはずっと大好きだよ!」


「はいはい、知ってるよ」


端から聞いたら浮気だと思われる会話をしてるな、あたしたち…。


「…あ」


「何、どうした?」


天鬼がいきなり声をあげるから、何かあったかと思って、天鬼の見ているほうを見た。


そこには…


「あれ、総司?」


巡察中…ではない総司の姿があった。


買い出しでもしていたのだろうか、手には荷物を持っている。


「おーい、沖田さーん!」


天鬼とあたしは、総司に近づいた。