たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても

「ボケじゃなくて、エドワードが本当の名前だ」


「いやだけど、さっき社長からシューインって聞いたけど......。
シューインじゃないの?」


「......シューインは中国名だ、好きな方で呼んでくれ」


エドワードだかシューインだか分からないが、男前俳優の彼がムッとしていたので慌ててフォローを入れる。

アメリカで活動するならともかく、台湾で活動するのにイングリッシュネームを名乗る必要があるのか......?

なんだかよく分からないな。

唯一現地台湾人のメイリンという女の子以外、中国語があまり話せない俺たちはそこで会話が途切れる。

先が思いやられるな。

同じ年みたいだし、まずはシューインから仲良くなろう、そう決めてぎこちない雰囲気が漂う自己紹介を終え、引っ越し作業に移った。