その試合、俺はひとりで
50得点を決めていたらしい。
3点シュート6本決めたから
単純計算で22回をシュートを
決めたことになる。
当然、そのあとの教室では
俺は英雄と化していた。
「おい、お前なんで今まで運動神経良いの隠してたんだよ!お前サイコー!!」
このイカツイ感じのゴリラや
さらに山崎までも、
「あの動き。お前、素人じゃないだろ!バスケ部はいんねぇか!?」
などと言い出した。
もちろん、運動など
大嫌いな俺は
『いや、いい。疲れるから。』
などと言って断ってしまうのだが。
「そうか。残念だな。お前くらい巧ければ全国でも良い成績残せるかもしれないだが、しょうがないか。」
『あぁ。ごめんな山崎。』
さすがにここまで誉められると
天狗になるなと言う方が無理である。
俺は体育の時間が
楽しみになっていた。
なぜいきなり運動神経が
よくなったのかなど、
考えもしてなかった。
第1話完。

