俺がトキオを殴ったそのとき、
「ママー、あの人たち何してるのー?」
と、声がした。
「ま、まずい...!」
トキオは慌てた様子でそう言うと、
そこにいた親子に手をかざした。
その瞬間、親子は
時が止まったように静止した。
『なにをした...』
「...君には、まだ理解できない、だろう、」
『...まだ、とは?』
「明日には教えてあげるよ。君の力も見れたし、今日はバイバイだよ」
『おい、どーゆう...』
「明日の夜7時、またここで。」
シュッ...
トキオは姿を消した。
「あれー?ママぁ、ひとりしかいなくなっちゃったよぉ?」
さっきの親子だ
動けている...
どうなってんだよ
俺は家に帰ることにした。
さっきのことで頭がいっぱいの俺は
三回ほど、車にひかれそうになったが
なんとか生きて帰ってこられた。

