急に頭のなかに声が響いた。
--ライタヨ。--
夢のなかできいたあの声だ。
今度はよくきこえる。
--ライタ。イカリヲカイホウスルノダ! --
怒りを解放?
そんなのどうやって
ふと、自分の手を見た。
ビリッ
と小さく電気が出た。
『これは...!』
「なに言ってやがる!恐くて独り言かぁ?」
あいつ、殺してやる
俺は怒った。
友達、先生、そして千夏。
俺の大事な人を傷つけた。
憎い...あの男が憎い...!
「あ?なに見てんだよ...殺してやろうか?あっひゃっひゃっひゃ!!」
男は鉄パイプを振り下ろした。
俺は素手で受け止めると、
男の顔面を三発ほど殴った。
「っぐぁ...」
情けない声をだして男は倒れた。
このくらいじゃ
怒りはおさまらない。
俺は男の鉄パイプをとった。
俺が触れた瞬間、
鉄パイプは電気を纏った。
--モットダ、モットカイホウシロ--
男を鉄パイプで殴った。
「っぐ!がぁ、ぎゃあ!」
男は痛々しい悲鳴をあげていたが
そんなことは気にもとめなかった。
気にする余裕などなかった。
なんども殴った。
殴るたびに鉄パイプは
閃光を放ち、ビリビリと鳴った。
男はナイフで反撃してきたが、
俺はナイフを弾きとばし引き続き殴った。
--ソウダ、イカリニミヲマカセロ--
『お前はな、俺の大事な人を何人も傷付けたんだ。裁かれなきゃいけないんだよ。』
「た、助けてくれ!頼む!!見逃してくれよぉ、二度としねぇから!!」
男はひどく怯えていた。
あんなことをしといて、
よく見逃せなどと言えるな
『裁きを受けよ...!!!』
--サバキヲウケヨ...!!!--
俺は大きく振りかぶって
強靭な神器のようになった
鉄パイプを振り下ろした。

