「あなたは誰?不法侵入じゃないの!?」

「うるせーよ、俺はむしゃくしゃしてんだ!あっひゃっひゃっひゃ!!」


と言いながら男は鉄パイプを振り下ろした。


ガゴン!

鉄パイプは見事に先生に当たった。
先生は痛そうに倒れた。

「人を殴るこの感触...やっぱり最高だぜ!次はドイツがいいかな...へっへっへ」


『先生!』

たまらず俺は先生に駆け寄った。
そのことが男の目に留まったようだ

「次はお前を殴ってやろうか...?ひゃひゃひゃ」

「雷太!...やめて!雷太を殴るなら私を殴って。」

『千夏...お前なに言ってんだよ』

千夏が男と俺の間に立ちふさがった。

「危ないからどいてろ!」

「やだ。雷太、昔から運動はできなくて。だからケンカも弱くて、いつもいじめられてたでしょ?」

『...あぁ』

「もう傷付いた雷太は見たくない!」


「順番なんてどーでもいい。殴ってほしいなら殴ってやるよ!ひゃひゃひゃひゃ」

男は鉄パイプを振り下ろした。


ガン...!

「...うっ!」

鈍い音をたて、千夏に当たった。

『千夏っ!!』


「おらおら!次はだれだぁ!?」


狂ったように怒鳴りながら
男は鉄パイプを振り回した。

俺はただ見ていた。

「うっ、」

「きゃ!!」

ゴン

ドン

クラスメートたちが傷ついてゆく。
俺には見てることしかできないのか...