もとに戻ってしまった。
運動神経も思考もなにもかも。

こうなったら俺はもうなにもできない。

結局俺のせいでとられた点は18点。
バスケ部の最強メンバーが
頑張ってくれたお陰で
この程度の失点で済んだ。

『あ、あれー?』

調子にのった俺が馬鹿だった。
あんなのまぐれに決まってる。

急に運動能力が飛躍的に
向上するなんてありえない。


授業がおわり、
教室で俺は質問攻めになっていた。

「お前今日どーしたんだよー?」

「昨日あんなに巧かったのに...」

『ごめんなさい。あれ、多分まぐれだよ。俺、運動苦手なんだ...』


俺はただ、自分に失望していた。


『あれがほんとの俺だよ』