やがて夜が来た。


城の者は皆死体と化していた。


生きているのは、王であった犬と、彼の父だけであった。

どの死体も舌をだらりと垂らし、不気味に横たわっていた。


その中でただ一人、エミルだけが真っ当な人間として死んでいた。彼女だけが犬になることを、復讐に飲まれることを拒むかのように堂々と、立派に、人として死んでいた。

王であった犬は、彼女の側を離れなかった。そして、周りを見回してから、彼女の胸に大粒の涙を流した。

犬は、


王は、自らの過ちを嘆いた。