「その言葉に、私は涙し、何度も頷きました。そしてその約束のとおり、あなたを見守りました。あなたは本当にたくましく、清く正しく成長してくれました。失礼を承知で言わせてください。あなたは、私の誇りです。
私はかつて、息子を失いました。息子は私の代わりにあのお方のお手伝いをしたところを見つかってしまい、帰らぬ人となってしまいました。その時、私は憎んだ。とてもとても恨んだ。しかし、あのお方の言葉を思い出したのです。人の優しさが必要なのだ、と。あなたにもわかるはずです。憎しみを抑えて、優しさを尊重した、あのお方の尊さを。あのお方は犬ではない。どこまでも人でいたはずです。衣服を奪われ、鎖に繋がれたとしても、あのお方は、どこまでも人でありました。私は如何なる処罰をも受けます。しかし、それは自らの罪を受け入れるのであって、あなたの復讐の対象にはなりません。なぜなら、それはあのお方の救いではないのだから。」