「王様、恐れ多くも申しあげます。私はこの日が来るのを怯える一方で、待ち望んでいました。私はあのお方を一度、お救いしようと試みました。しかし、そのことはあのお方を益々苦しめる結果となってしまった。その一件依頼、私は…先代様をとても憎みました。忌まわしくも手をかけようなどと大それたことも考えました。しかし、それでも先代への恩義と忠誠を捨てることが出来なかった。王族にお仕えする以上、それは私の精神の全てを担っていた。
私は何度も自害しようとも思った。しかし、それはあのお方との約束を破ることになる。それも私にはとても出来なかった。
私は卑しい人間です。あのお方が苦しんでおられることを知りながら、私は結局何も出来なかった。それに対する処罰は、先ほど申し上げましたとおり、如何なるものでも受ける覚悟です。
私はあのお方をお救いすることが出来なかった。
ですが王様、今のあなたにはあのお方をお救いになれる力がございます。あのお方を、どうかお救いください。」