「エミルはおるか。」
重々しい口調で彼は訪ねた。

「エミル様は…聖堂にて…朝の礼拝をしていらっしゃいます…」

侍女は恐怖に顔を歪めながらも、やっとのことで声を出した。


「聖堂か…」

時が凍るような睨みを侍女に向けると、王はそのまま部屋を跡にした。


事実、侍女はそこから一歩も動けず、まるで時が凍ったようだった。